ストレスから逃げることについて

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皆さんはストレスが出てきたときに「逃げる」ことって考えたことはありますか?よく「現実逃避のために○○した」とか「酒飲んで忘れよう!」といったような話をよく聞きますが、これってどうなんでしょう?

今回は現実逃避として使われるようなストレス発散法についてお伝えしていきたいと思います。

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ストレスの発散について

ストレスの発散の仕方がいろいろあるということに関しては以前の投稿の中で紹介していますのでそちらもぜひ見てもらいたいと思います。

記事:ストレスを軽くするために~バランスよくたくさんのストレス発散法を身に付ける~

ストレス発散法についてその方法をいくつかに分類した研究があります。
WCCL(Way of Coping Checklist)という質問紙が開発されており、
ストレス対処法に6つの側面があることが分かっています。

  1. 問題解決:目の前のストレスになる状況や問題をどう解決するか考える、それを実行する
  2. 積極的認知対処:ネガティブな出来事を様々な側面から見直し大丈夫だと考えるようにする
  3. ソーシャルサポート:友人に相談するなど、周囲に助けを求めることでストレスを軽減する
  4. 自責:自分のせいで問題が起こってしまったと考え、それ以上考えないようにする
  5. 希望的観測:「誰かが何とかしてくれるだろう」といったように根拠なく都合よく考える
  6. 回避:酒を飲む、イライラを相手にぶつけるなど、目の前の問題から目をそらすようにする


このようにストレス発散方法には6つのカテゴリがあるといわれています。ちなみに①~③の対処法が多いと適応的と言われており④~⑥が多いと非適応的でむしろストレスを大きくしてしまう可能性もあると言われています。特に⑥回避については悪い結果をもたらす可能性が高いので特に注意が必要になるかもしれません。

出典:ストレスマネジメント入門


このように様々な種類のストレス発散があるわけですが我々が日常的にやっているようなストレス発散は一体どこに当てはまるでしょうか?いわゆる気分転換としてのストレス発散はおそらく②と③と⑥になると思います。

皆さんはどのようなストレス発散をしていますか?

ストレス発散の目的は??

さて、ストレス発散って皆さんは何のためにするでしょうか?
「もちろんストレスの解消のためですよ。決まってるでしょ」
このように思った方。とても健康的です。

でも、こんなことありませんか?
・仕事が終わり帰宅して、リラックスタイムにスマホを触っていたらもうこんな時間!?
・一週間頑張った自分にご褒美にビール!…気づけばこんなに飲んでしまった…    などなど

本来ならばストレス発散の方法であるスマホ操作や飲酒が気づけばやりすぎてしまっている。
これは飲酒やスマホだけにとどまらないと思います。やりすぎると心身の健康を害することもありますから、ストレス発散ではあるんですが注意が必要なんです。
皆さんもついついやりすぎてしまうことがあるのではないでしょうか?

では、なぜやりすぎてしまうのでしょう?
それはもしかすると回避の発散法になってしまっているのかもしれません。

回避の発散法は危険につながる?

皆さん回避の発散法としてどんなものを思い浮かべるでしょうか?
先ほど紹介したWCCLでは回避とは基本的に嫌な現実から目をそらすために行うストレス対処法を指しています。

嫌な現実から目を背けたくなることなんて、日常山ほどあるかと思います。
目を背けることで少し楽になる部分もあるのですが、問題は一切解決しないですし、回避を使うことでストレスのインパクト自体は小さくならないんですよね。

また、特に飲酒に関しては何となくストレスが発散されている気になっているものの、脳はストレスを感じ続けている可能性があるという結果が出ているそうです。

出典:Effects of Ethanol on the Stress-Induced Expression of NGFI-A mRNA in the Rat Brain

回避をすることによって目の前からストレスを取り除いた気になっているだけではストレス発散になっていないということですね。

ストレス発散だけでは厳しい

回避をするようなストレス発散は危ない…じゃあお酒飲んじゃダメ??
そんなことはありません。お酒を飲んで楽しく過ごすこともちゃんとストレス発散ですよ。
飲みすぎてしまったり、時間を忘れてしまったりするから問題なんです

回避することで、目の前から問題をいったん切り離しているんですが、現実は何も変わっていません。
ストレス発散で時間を忘れて作業をしてしまう、やりすぎてしまうということは、それだけ直面したくない現実があるということではないでしょうか。



目を背けたくなるような現実があるにも関わらず、それをストレス発散法だけでなんとかしようとするのには限界があります。

つまりストレスフルな状況をどのように解決していこうかということを具体的に考えていくことも必要です。WCCLの問題解決的な対処法が必要ということですね。
目の前の状況を解決しようといろいろと考えているうちに感じるストレスを和らげて挙げるためにストレス発散をするというのが、ストレス発散法の在り方だと思います。

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まとめ

今回はストレス発散の種類と注意すべき発散法「回避」について話をしました。皆さんも自分のストレス発散のスタイルを見直しつつ、ストレス発散で現実から逃げるのではなく、ストレス発散をすることで現実とうまく付き合っていけるようになるといいですね。

ではでは

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